VVVF製作所

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 鉄道用ドアの構造とエアーで開閉するしくみ

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鉄道車両のドアは、高い安全性と旅客のスムーズな乗降を実現するために様々な工夫が凝らされています。本ページでは、乗務員の操作によってドアが一斉に開閉する仕組みや、関連技術についてまとめます。

鉄道用ドアエンジンの構造としくみ

東武鉄道の車両に用いられるドア機構を以下に示します。 ドアの構造 画像は車両工場の係員用教材で、工場公開イベント時に展示されていたものです。ドア上部の幕板や周囲の化粧板が取り除かれていて、構造がよく分かります。
ドア上部に取り付けられた戸車がレール上を転がるようになっており、左右のドアはドアエンジンのピニオンラック機構を介して連動する構造です。

ドアエンジン ドアエンジンに圧縮空気が送り込まれるとシリンダーが動作し、ロッドに接続されたドアを開閉させる仕組みになっています。 ドアエンジンには開閉動作のスピードやクッションを調整するための調整ねじが設けられており、ドアが閉まる際に速度が変化するのはこのクッション機能のためです。

ドアエンジンからは「開」操作用と「閉」操作用と2本のエアー菅が伸びており、これらは座席下に設置されたドア電磁弁につながっています。


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車掌スイッチの操作とドア電磁弁

座席下に設けられている、ドア開閉用の電磁弁を以下に示します。 ドア開閉用の電磁弁 配管の陰になっていますが、白っぽい箱がドア電磁弁です。制御タンクから送られてきた圧縮空気の供給先を、電気指令に基づいて電磁弁が切り換えることでドアを開閉します。

ドア開閉の電気指令は、車掌スイッチの操作によって切り換えられます。 車掌スイッチ 車掌スイッチとは、その名の通り車掌が駅到着時や発車前にドア開閉をするために取り扱うスイッチです。下側のボタンを押すとドアが開き、上側のボタンを押すと閉まります。 この車掌スイッチは直接的にはドア電磁弁に接続されておらず、一旦床下に取り付けられた中継回路に開閉指令を送るしくみです。

ドア開閉用の中継回路 中継装置は車掌スイッチの開閉指令に基づいてドア電磁弁のON/OFFを切り換えます。中継装置のリレーを介して間接的にドア電磁弁を動作させることで、車掌スイッチに大電流が流れないように工夫されています。


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