VVVF製作所

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カム軸式抵抗制御装置を自作して限流値制御してみる(1)

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電車の直流モーターを制御するために用いられる、カム軸式抵抗制御装置を3Dプリンターで自作してみます。ここでは、カム軸式抵抗制御装置の仕組みと製作方法について、順次ご紹介していきます。

カム軸式抵抗制御装置とは?

103系のカム軸式抵抗制御装置 カム軸式抵抗制御装置とは、電車の主電動機に流れる電流を、カム軸による抵抗器の切り替えにより制御する装置です。実際の電車に使用されている、カム軸式抵抗制御装置がこちらです。カム軸を駆動するパイロットモーターと、主抵抗器の切り替えを行うカム軸や接触器などで構成されています。同じ電圧を直流モーターに印加した条件において、低速回転時には大電流が流れ、高速回転時には減少していきます。モーターに流れる電流とトルクは比例関係なので、電車が一定のトルクで加速するためには、電流を一定に制御する必要があります。

カム軸式抵抗制御装置は、速度に応じてモーターと直列に繋いだ抵抗器をカム軸により切り替えることで、モーターに印加する電圧を変化させ、モーターに流れる電流をほぼ一定に制御します。電流を制御することで、モーターはほぼ一定のトルクを出力し、加速することが可能になります。主電動機に直流モーターを用いた電車の大部分は、カム軸式抵抗制御方式を採用しています。


カム軸式抵抗制御のしくみ

マスコンハンドル モーターに流れる電流を一定に制御するためには、センサーにより実際の電流値を取得し、フィードバック制御を行います。電流センサーには、実際の電車では限流継電器やマグアンプなどが使用されています。また、電流指令値(限流値)は電車の運転士が握るマスコンハンドルにより決定します(実際には乗車率に応じて調整を行う応荷重装置などを用いる場合がありますが、ここでは考えないことにします)。

主電動機が加速して電流が限流値を下回ったら、カム軸を回転させて主抵抗器を減らし、モーターに印加する電圧を上げます。すると、モーターの電流が増大し、限流値を超えてカム軸が停止します。この動作を繰り返すことで、速度にかかわらず、主電動機に流れる電流がほぼ一定となるように制御することができます。


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自作するカム軸式抵抗制御システムの構成

カム軸式抵抗制御装置の構成 ここからは、自作するカム軸式抵抗制御装置と主回路の構成について説明します。カム軸式抵抗制御装置による直流モータ制御システムはこちらの図に示すように、カム軸ユニット、マスコンハンドル、限流継電器基板、主抵抗器、主電動機により構成します。カム軸ユニットは、カムモーターによりカム軸を駆動することで主抵抗器の切り替えを行います。また、カム軸ユニット上には主回路用断流器と、カム軸の位置決め回路を設置します。マスコンハンドルは、電流指令値とノッチのON/OFF信号の生成に使用します。限流継電器基板は主回路の電流を監視し、カム軸用パイロットモーターをコントロールする役割を担います。主抵抗器と主電動機は直列に繋がれ、主抵抗器のタップはカム軸ユニットに接続されており、カムの位置により主抵抗器の抵抗値が変化します。


3Dプリンターによるカムの試作

製作するカム軸式抵抗制御装置では、カム機構によりマイクロスイッチの開閉を行うことで主抵抗器のON/OFFを切り替えます。マイクロスイッチには、直流15A程度まで対応可能なタイプを使用し、5インチゲージの駆動にも対応させるつもりです。

CADを用いてカムを設計し、3Dプリンターで1個だけ出力してみました。
抵抗制御用カム軸の試作 試作1回目のカム(上の画像)は失敗作です。カムに摺動するマイクロスイッチが引っかからず滑らかに動作するように、凹凸の変化部には少しだけ丸みをつけているのですが、画像の試作品では切り替え時にかなりのトルクが必要でした。

主回路切替用のカムは4連なので、このままではカム軸を駆動するモーターの負担が大きくなります。この後、何回か試作と修正を繰り返しました。
抵抗制御用カム軸の試作2 タミヤの六角シャフトをカムに通してみた様子です。カム側に空けた穴も六角形としていますが、カムが太いためこの接合方法では軸との接合部分に負担がかかり、カムの穴が壊れてしまいます。カムと軸との接合部には、タミヤ製のブラケットを使用することにします。

次の記事に続く】

自作しているカム軸式抵抗制御装置の動作実験映像です。
【元動画はこちら】カム軸式抵抗制御装置 実験映像



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