CADで鉄道模型を設計してみる(東武8000系 その1)
オリジナルの鉄道模型を製作するため、フリーのCADソフト「Design Spark Mechanical」を導入し、試しに東武8000系の模型をモデリングしてみました。縮尺は1/45とし、Oゲージ規格に合わせます。
東武8000系(旧前面) 先頭部の3Dモデリング
まずは画面上部にある、デザインタブのスケッチから「矩形」ツールを選択し、電車の車体断面を描きます。寸法を指定すると、長方形を描画できました。寸法は実車資料や画像などを参考に、Oゲージの縮尺である1/45スケールになるように指定しています。縮尺を1/45にする理由は色々あるのですが、複雑な台車の形状(揺れ枕ブレーキ機構など)を再現できることを前提とし、使用する3Dプリンターの造形精度と造形時間を考慮した結果、Oスケールに決定しました。
プルを選択し、面を押し出すことで直方体にします。まだ無機質ですが、立体的になりました。
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貫通扉と前面幌の枠を描画します。
貫通扉と前面幌の枠を描画します。東武8000系の前面部は一見するとシンプルに見えますが、扉や窓の隅には応力集中を防ぐためのRがあり、意外と複雑な形状です。連結器上部の切り欠きや、屋根部分の曲線も作成しました。
東武8000系の前面部は3面で構成されており、折妻形状になっています。実車資料と比較しながら調整していきます。東武鉄道の貫通扉付きの車両(6050系や10000系列、30000系etc)は、このような前面形状が多いですね。
ここから、前面窓を描画していきます。東武8000系の前面形状には、大別するとデビュー当初の「旧前面」と、車体更新工事の際に取り換えられた「新前面」の2種類があるのですが、今回は旧前面のスタイルをモデリングしていきます。ちなみに実物で現存する車両は、東武博物館が動態保存している8111Fのみです。
前面窓の隅にあるRを「プル」により引き出します。また、前面窓を支持するための部品「Hゴム」も作成しています。東武8000系の旧前面は、Nゲージを製品化している各社(トミーテック、グリーンマックス、マイクロエース)の再現クオリティがよく比較されていますね。当然ですが先頭形状は模型全体の印象が決まる大事な部分なので、特に慎重に寸法を決定していきます。
Hゴムの隅にも丸みをつけました。だいぶ電車の妻面らしくなってきたのではないでしょうか。次回の記事では、東武8000系の特徴をさらに作りこんでいきます。
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