CADで鉄道模型を設計してみる(東武8000系 その4)
オリジナルの鉄道模型を製作するため、フリーのCADソフト「Design Spark Mechanical」を導入して東武8000系をモデリングし、3Dプリンターで造形してみました。縮尺は1/45とし、Oゲージ規格に合わせます。
CADで東武8000系の鉄道模型をモデリングする(屋根・側面構体)
前回の記事では東武8000系原型顔を3Dプリンタで印刷し、OJゲージの鉄道模型をそれなりに綺麗に印刷できることが分かりました。今回は、屋根や側面構体のモデリングを行います。
まずは、先頭部の断面をもとに屋根の厚みや側面構体の厚みを考慮して車体の断面形状を決定し、「プル」により引き延ばします。側面にある壁の厚みは、模型の寸法で2.0mmとしています。
先頭部を除去し、斜め上から見た様子です。印刷する際には、前面部・側面構体・屋根・台枠をそれぞれ分けて印刷し、最終的に接着剤で組み立てます。後の工程で、側面構体と屋根も分割します。
この状態では、8000系原型顔の「おでこ」にある行先方向幕周辺の断面形状の影響を受けて中央部が少し盛り上がっており、実車の屋根とは異なっています。
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屋根の断面形状を修正しました。東武8000系と同時期に車体を製造された東武電車の多く(6000系・1800系・3000系列・5000系列etc)は、この断面形状をもとにモデリングできそうです。
このままではかなりシンプルな形状ですが、あとで雨樋や側面扉・乗務員室扉や窓を作り込んでいきます。
続いて、屋根にある雨樋の断面を描きます。この雨樋を境に車体色と屋根色が塗り分けられているので、造形後に塗装する際にはマスキングテープを貼るときの目印にもなります。
雨樋を引き延ばしました。まだ側面が寂しいですが、雨樋により立体感が出てきました。さらに、先頭部にある雨樋の端部を処理していきます。
先頭部付近にある、雨樋端部の断面形状を描きます。曲線を通したい点を指定して、スプライン曲線により補完することで、簡単に滑らかな断面形状を得られます。
これで雨樋が完成しました。厳密にいうと実車では雨樋の四隅に三角形の鉄板が取り付けられていますが、これは仕上げ段階でモデリングします。次回の記事では、床のモデリングと、屋根・側面構体の分割を行います。
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